開業医失敗事例

「内科医A先生」の事例

内科医のA先生は勤務医として長年働いてきました。
自分の腕と仕事量に対して現在の病院の給料が安いと感じていたのと、医師仲間の内科医が開業して年収が大幅に上がったという話を聞き、自分も開業することにしました。
A先生が勤める病院の薬卸業者に「開業を考えている」と伝えると、「無料で開業のお手伝いしますよ」と言って、その薬卸業者が手伝ってくれることになりました。
開業準備をしたいとはいえ忙しいA先生は、「開業準備を全てやってくれるならお願いしたい」と思い、その薬卸業者に開業準備のほとんどすべてを任せてしまいました
約1年半の期間をかけて開業にいたりました。
開業費用は7500万円。
ほとんどが銀行からの融資でした。
A先生は念願の自分のクリニックを持てたと大変喜びましたが、初日に来た患者さんはたったの8人。
その後も集患は伸びず、スタッフの人件費、ローン返済などはすぐに苦しくなり、A先生が勤務医時代に貯めてきた貯金を切り崩して何とかクリニックを維持していましたが、すぐに資金はなくなってしまい、A先生は廃業に追い込まれてしまいました。
A先生は残った借金を返すことができず自己破産をしてしまいました。 薬卸業者やコンサル会社に開業準備を任せきりにする先生は多いですが、そういう先生は廃業率も高いです。
また、このケースは開業資金をかけすぎです。
資金繰りが苦しくなって当然です。 開業してから「患者さんが来ない」と悩むようでは、その時点で経営は失敗しています。
「事業戦略」も立てずに、「開業すれば患者さんは来る」というようなことは絶対にありません。ビジネスはスタートダッシュが大事です。
最初の集患戦略もなしに開業してはいけません。
また、「お金のことは会計士に任せている」という先生がいますが、自分の会社の資金繰りをわかっていないのは危険です。
資金管理は自分で行ってください。
A医師のようにすぐに廃業して自己破産に追い込まれる先生がたくさんいます。

「整形外科医B先生」の事例

整形外科医のB先生は勤務医として15年働き、「自分も開業したい」と思っていました。
B先生が勤めていた大病院は大変忙しく、特に整形外科は休む暇もないほど忙しい毎日でした。
「このままでは働くだけで人生が終わってしまう」と思ったB先生は開業に踏み切ることにしました。
病院に出入りしている病院機械の会社の営業マンに開業したい旨を相談すると、その機械の会社は開業に必要なあらゆる準備をしてくれました。
「無料で開業のコンサルティングをします」とも言ってくれたので、B先生はその業者に開業準備を任せきりにしてしまいました。
設備、場所、機械などもその業者に言われるがまま良いものを揃えてしまいました。
その結果、開業資金は8000万円もかかってしまいました。
その資金のほとんどは銀行からの借入でした。
開業したのはいいのですが、銀行への返済など資金繰りはかなり苦しいものでした。開業してすぐは患者さんも定着せずに、金銭的にかなり厳しい状況が続きました。近隣エリアにも整形外科があったため、なかなか集患がうまくいかず、B先生のクリニックの経営はどんどん悪化していきました。
そして、開業から1年後にB先生は資金が底をつき廃業に追い込まれてしまいました。
多額の借金が残ったB先生は、借金を返すことができずに自己破産をしてしまいました。
開業準備を業者に任せきりにしては絶対にいけません。
言われるままに開業準備をしてしまうとB先生のように多額の資金が必要になり、クリニックの経営を圧迫し、廃業率がかなり高くなってしまいます。
また、資金の管理は毎日自分で行ってください。
たまに「お金のことは会計士に任せている」という先生がいますが、自分の会社の資金繰りをわかっていないのは危険です。
安易な気持ちなら絶対に開業してはいけません。
人生が大きく狂ってしまいます。

「眼科医C先生」の事例

勤務医で眼科医のC先生は、大病院の整形外科の激務に疲弊しきっており、独立開業を考えていました。
C先生は医院の開業コンサル会社を紹介してもらい、相談しました。
その結果、C先生は開業を決意し、そのコンサル会社に依頼することにしました。
C先生は通常業務がとても忙しかったため、開業準備をコンサル会社にほとんど任せきりにしてしまいました。
開業場所、建物、看護師やスタッフ、資金調達、機械や設備、ホームページなどが、ほとんどコンサル会社によって決められました。
開業資金は1億円ほどかかり、そのほとんどは銀行からの借入でした。
開業にはこぎつけましたが、開業準備に関わっていなかったため、自分のクリニックでありながら、自分のクリニックのことがよくわからず、C先生はスタートダッシュに完全に失敗してしまいました。
そのまま経営は浮上せず、借金の返済やスタッフの給料の支払いなど、資金繰りはかなり苦しいものになりました。
借金を返すため、気が付くとC先生は勤務医時代よりもハードに働いていました。
しかし、C先生がどんなにがんばっても経営は浮上せず、そのままC先生は廃業に追い込まれてしまいました。
怪しい開業医コンサル会社があるので注意してください。
中には真面目にやっているコンサル会社もあるのですが、法外な金額を乗せて請求してくるコンサル会社もあるので注意してください。
ひどい業者だと、開業した後はフォローしてもらえない場合もあります。自分の会社を持つのですから、自分で調べ、細部まで把握し、数字やお金の管理も会計士や税理士に任せきりにせず、すべて自分でやるべきです。
そこまでやることができないならば開業すべきではありません。

「医師の妻Dさん」の事例

20代女性のDさんは勤務医のE医師と結婚しました。
Dさんの結婚生活は順調でした。
ところが、結婚から3年ほど経ったときに夫のEが「開業したい」と言い出しました。
「開業して食べていけるのだろうか」と心配するDさんにおかまいなしに、夫E医師はどんどん開業準備を進めていきました。
そして、夫E医師はクリニックを開業。
妻のDさんはクリニックの仕事を手伝うようになりました。
ところが、開業したもののなかなかクリニックの経営が軌道に乗りませんでした。
夫E医師は朝から晩まで働きました。
医師会の会合にもきちんと顔をだし、毎日疲れて帰ってきました。
夫E医師のストレスは頂点に達していました。
夫Eは怒りやストレスの矛先を妻Dさんに向け、毎日怒鳴り散らしました。夫婦の会話は減り、必要最低限以外のことで会話はなくなりました。
夫Eは、「どうしても必要なこと以外は僕に話しかけるな」
「用事を言うときは短く簡潔に言え」
「院の仕事もまともにできない挙句、家の仕事もできないのか」
と毎日文句を言うようになりました。
一度だけ「少し家事を手伝ってほしい」と言ったら暴力を振るわれました。 妻Eさんはどんどん追い詰められ、うつ状態になってしまいました。
この夫婦はその後離婚しています。
このような開業医の妻は意外にも多くいます。
「開業医の妻」というと聞こえは良いかもしれませんが、言い方を変えれば「経営者の妻」です。いつも危険と隣り合わせだと思ってください。
やり方を間違えなければ、開業医として成功することはできます。しかし、やり方を間違えれば必ず失敗します。
失敗する開業医の妻は本当に大変な毎日だと思ってください。
旦那さんが「開業したい」と言ってきたときは注意しましょう。

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